早期に釈放・保釈して欲しい
刑事事件で身柄拘束されてしまったら、早急な釈放を目指すべきです。身柄拘束期間が長くなればなるほど不利益が大きくなってしまうからです。
今回は逮捕・勾留されたときに釈放・保釈する方法を山口の弁護士が解説します。
1.逮捕後釈放されるタイミング
逮捕された後、被疑者や被告人が釈放される可能性のあるタイミングはいつになるのでしょうか?
1-1.逮捕後勾留されなければ3日以内に釈放される
逮捕されても「勾留」されなければ、逮捕後3日以内に釈放されます。その場合、被疑者在宅のまま捜査が進められます。
1-2.準抗告、勾留執行停止、勾留取消による釈放
勾留されても「準抗告」という異議申立が認められれば勾留の効果がなくなって身柄が釈放されます。
また、やむを得ない事情があれば「勾留執行停止」によって勾留を一時的に停止して釈放してもらえる可能性があります。
勾留の理由がなくなれば「勾留取消」を申し立てて身柄を解放してもらえるケースもあります。
1-3.不起訴処分による釈放
勾留されても、その後「不起訴処分」になれば身柄は解放されます。
不起訴処分とは、検察官が「起訴しない」と決定することです。
不起訴になれば刑事事件が終了するので身柄拘束の理由がなくなって釈放されます。
1-4.略式請求による釈放
起訴されたとしても「略式請求」になれば身柄は解放されます。
略式請求とは、科料か100万円以下の罰金刑を適用するケースにおいて、被疑者が罪を認めている場合に適用できる簡単な刑事裁判手続きです。
略式請求された場合には罰金を払えば刑事事件が終結するので、被疑者の身柄はすぐに解放されます。
1-5.保釈による釈放
通常の公判請求で起訴され刑事裁判になっても「保釈」が認められれば身柄は解放されます。
保釈とは、刑事裁判の被告人が仮に身柄を解放してもらえる手続きです。
一定の条件を満たせば「権利保釈」によって当然に身柄を釈放してもらえますし、権利保釈の要件を満たさなくても裁判官の裁量によって保釈されるケースが多数です。
保釈が認められると、定められた保釈保証金を裁判所に納付すると同時に身柄を解放してもらえます。
被疑者段階の勾留の取り消しや停止は困難ですが保釈は比較的スムーズに認められやすいので、公判請求されたらすぐに保釈申請をしましょう。
1-6.無罪や罰金、執行猶予などの判決による釈放
公判中に保釈されなかったケースでは判決時まで身柄拘束が続きますが、判決内容によって身柄が解放される可能性があります。
無罪判決はもちろんのこと、罰金や科料、執行猶予つき禁固や懲役のケースでも身柄は釈放されます。
一方、禁固や懲役の実刑判決となれば釈放されずに刑務所等の矯正施設へ送られます。
2.早期に釈放されるために弁護士に依頼する必要性
逮捕されたとき、なるべく速やかに身柄を解放してもらうには弁護士に依頼する必要があります。
2-1.勾留されないように働きかける
逮捕直後に弁護士がついたら、弁護士がすぐに家族から身元引受書をとりつけます。
その上で検察官へ逃亡や証拠隠滅のおそれがなく、勾留の必要性がないことを説得的に伝えて勾留しないようにはたらきかけます。
検察官が勾留請求しなければ逮捕後3日以内に釈放され、被疑者は元のように社会生活を送ることが可能となります。
2-2.準抗告、勾留執行停止、勾留取消申立などの対応
勾留されてしまったときに勾留を停止したり取り消したりして釈放されるには、「準抗告」「勾留執行停止請求」「勾留取消請求」などの対応をしなければなりません。
このような手続きを進めるには、刑事事件についての専門知識とノウハウをもった刑事弁護人が必要です。
また直接身柄が解放されるわけではありませんが「勾留理由開示請求」が有効な対処方法となるケースもあります。
勾留理由開示請求を行うと、被疑者の身柄を裁判所に移して公判廷で審理が開かれるため、家族が被疑者の姿を見ることができて被疑者も家族の様子を確認できます。
また、審理の最中には取り調べができないので、厳しい取り調べを中断する効果もあります。こうした戦略的な対応も刑事弁護人がいないと不可能です。
勾留を争いたい場合、早急に弁護人をつける必要があるといえるでしょう。
2-3.示談交渉など、不起訴処分を獲得するための活動
勾留を争っても身柄が釈放されない場合、不起訴処分の獲得を目指しましょう。
不起訴処分になれば、逮捕から23日以内には身柄が解放されますし、裁判にならないので前科もつきません。
不起訴処分を獲得する方法は、ケースごとに異なります。
たとえば、痴漢や盗撮、万引きなどの被害者がいる犯罪であれば被害者との示談を成立させる方法が有効です。
初犯でさほどの重大犯罪でないケースでは、起訴前に被害者と示談できれば多くのケースで不起訴にしてもらえます。
ただ、身柄拘束されている被疑者が自分で示談交渉を進めるのはほとんど不可能なので、弁護士への依頼が必須となります。
被疑者のいない犯罪では、弁護人が被疑者にとって有利な事情を集めて検察官に示し、起訴の必要性がないことを伝えて不起訴の申し入れを行います。
刑事弁護人の対応が的確で説得的であれば、不起訴処分にしてもらえる可能性が高まります。
2-4.保釈申請
起訴されてしまった場合には、早急に保釈申請しましょう。保釈が認められたらすぐに社会生活に戻れます。
ただし、勾留されている被告人やご家族が保釈申請するのは極めて困難なので、刑事弁護人が対応する必要があります。
スムーズに手続きを進められたら、起訴後2日程度で身柄が釈放される可能性も十分にあるので、早めに対応しましょう。
また重大犯罪や共犯事件などで一回では保釈が認められなかった場合でも、弁護人が時機を見て保釈申請を繰り返すことで身柄解放が認められるケースが多々あります。
2-5.刑罰を軽くするための刑事弁護活動
保釈保証金を用意できなかった場合などには、判決まで身柄を拘束される可能性があります。その場合でも、無罪や執行猶予などの判決を得て身柄の解放を目指すべきです。
こうした有利な判決を獲得するには刑事弁護活動のノウハウを持った弁護人の選任が必須です。できれば起訴前から弁護人を依頼して、的確に対応を進めていきましょう。
刑事事件で逮捕されたとき、早急に身柄を解放するには刑事弁護人が必要です。山口で早期釈放を目指したい方がおられましたら、すぐにでもご相談ください。
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